彼の瞳に捕まりました!
『行成は行成で、なんかおかしいし……』
「おかしい?」
早鐘のようにドキドキとうるさい心臓をおさえるように、胸の辺りをぎゅっと握りしめながら、どうにかマサル君に問いかけた。
『ねえ、麻生ちゃん。
行成に何かあったの?
絶対おかしかった。あんな行成見たことないわ。
見たくないし』
心配そうに話すマサル君。
そんな彼に返事が出来ない。
高瀬の様子がおかしい。
そう感じるほど、近くにいることが最近出来ずにいたから。
「マサル君、高瀬のどこがおかしいって思ったの?
マサル君が何を見てそんな風におもったのか、知りたい」
感情がそのまま言葉になって溢れてくる。
どんな些細なことでもいいから、高瀬を知りたい。