彼の瞳に捕まりました!


「高瀬さん。
あ、行成の父親はね、私の師匠でした。
カメラマンとしての全てを教えてくれた人です。
その息子がカメラマンを目指している。それを知っていてもたってもいられなくなって、行成に連絡を取りました」

「それで、大沢さんのアシスタントになったんですね」

「半ば無理矢理でしたけどね」

苦笑いを浮かべながら、大沢さんは言葉を続けた。

「行成は嫌がったんですよ」

「?」

「自分の父親の弟子だからかも知れませんね。だけど、私も諦められなかったんです。
行成の才能を自分の手で伸ばしたい。そんな思いがありました」

「それだけ高瀬には才能があったんですね」

呟くように言った私に、大沢さんは頷くと息を吐いた。

「でも、道半ばで手放さなくてはならなくなったんです」

「高瀬のお父様ので、ですか?」

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