彼の瞳に捕まりました!
テーブルに置かれたままの写真。
自分だなんて思いもしなかった。
約束は守られなかった。
ずっとそう思っていた。
だけど、違った。
あの日撮った写真ではなかったけれど、ちゃんと私を映したものだった。
高瀬に声をかけられるだいぶ前だけど、
これはまぎれもなく私で……
だから、変に意地を張って、高瀬を避けた自分が情けなかった。
どうして聞かなかったんだろう…?
いつだって聞けたのに……
「綺麗な写真よね」
いつの間にやって来ていたのか、和美さんがさっきまで大沢さんの座っていた椅子に腰かけて、私を見つめていた。
「私ね、全然写真の事とかわからないんだけど、憧君の写真を見た時に綺麗だなって思ったの。
行成君の写真も同じように綺麗だって思う」