彼の瞳に捕まりました!


扉が閉まると同時に聞こえる、鍵のかかる音。

そして、不思議そうな高瀬の声と足音。
ゆっくりと振り返り、高瀬とまっすぐに向き合うと、編集長から預かったファイルを差し出した。

「写真、間違ってたよ」

その言葉に、高瀬は驚いたように目を開きファイルから写真を取り出した。

「……しまった。写真反対に渡しちまった。木村の姉さんに連絡しないと」

「珍しいよね。
何かあったの?」

その言葉に、携帯で電話をかけようとしていた高瀬は驚いたように顔をあげた。

「……ナホ?」

「なによ?」

「お前が俺の心配なんて、珍しいなって思ってな」

「失礼ね。
私だって、心配のする時だってあるわよ」

思わずムキになって言い返すと、高瀬は意地悪い笑顔を見せた。



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