彼の瞳に捕まりました!
ちょっと言い過ぎたかな?
なんて思ったけど。
彼女が私の事を好き勝手に言ってるのを私は知っているんだ。
という事実を知っていて欲しかった。
なんでサトコちゃんに、そこまで言われなきゃいけないのか分からないけど、いい気分ではないし……。
とりあえず、釘は刺せたと思う。
「オモシロイ事してんじゃん」
廊下に出た途端、かけられた言葉。
その声にビックリして、少しだけ後ずさった。
「高瀬!」
「言う時は言うんだな」
私の頭を撫でながら、高瀬は入れ違う様に部屋の中に入ると、振り返って意地悪い笑顔を見せた。
「お嬢ちゃん、真っ赤になってるぞ」
「そう、なんだ」
「お前はスッキリした顔してるけどな」
「そう、かな?」
「相変わらず、自覚無しかよ」
呆れたような顔でもう一度頭を撫でると、
「待ってろよ」
そう言って、高瀬は中に入って行った。