彼の瞳に捕まりました!


絶対わざとだ。

高瀬はわざとやってる。

「すごい真っ赤。
ナホ、どうかしたのか?」

耳に息を吹き込むように、囁く高瀬。
そんな行為に身体が震えた。

「やっ、やめて……」

身体をぎゅっと固くして、振り絞るように声を出した。

「聞き耳たてるのが、趣味なのか?」

「えっ?」

聞き耳?

そう言われて、思わず大きな声が出た。

「な、なんで?」

「お嬢ちゃんに言ってたろ。
身体で慰めてあげる。
あと、なんだっけ……?」

「干物女……」

私の答えに、高瀬はまた笑いながら、

「満足はさせられねぇもんな。ナホちゃん」

そう言って、首筋に口づけるとゆっくりと離れていった。

触れられた場所が熱い。
心臓がぎゅうっと締め付けられたように苦しい。

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