彼の瞳に捕まりました!
なんだか満足気な笑みを浮かべ、行成は私を見つめる。
その笑顔に背筋がピンッと伸びた。
「ファッション誌のカメラマンをバカにしていた訳じゃない。
だけど、報道にいたときはファッション誌なんてって、どこかで思っていた部分もあった。
やらせてもらえて良かったと思ってるよ」
「……うん。私も一緒に仕事できて良かったって思ってる」
「ん?」
「じゃないと、一生誤解したままだったと思うから」
「誤解?」
「私ね、行成がフォトコンテストで佳作に選ばれたの知ってたの。
選ばれた写真も。
モデルとか言われて写真撮ったから、やっぱり気になるでしょ。たまたま見せてもらった雑誌で結果を聞いて、写真見たの……」
「写真が違ったと……?」
「うん」
「モデルしろって、半ば脅したくせに写真が違って、信用出来なくなった?」
苦笑いを浮かべる行成に、黙って頷いた。