彼の瞳に捕まりました!
「なぁ、菜穂」
「え?」
「これ」
そう言いながら渡されたのは、あの日見せられた写真。
高校生だった私が、メイド服でしかめっ面をしている写真。
「これは、同好会の仲間が持っていたものだったんだ」
「……そうなんだ」
「佐々木がさ……あ、佐々木もメンバーだったんだけど。
この子が菜穂だって気がついて」
行成は、そこまで言うと写真を私の手から引き抜いて、さっきの箱の中にしまった。
「行成?」
「……賭けをしたんだ」
「賭け?」
「佐々木が、菜穂は写真嫌いだって話してた。
それを聞いた何人かで賭けたんだ。
お前の写真を撮ったらって……」
言いづらそうに行成はそう言うと、私の前に正座をした。