彼の瞳に捕まりました!
「それって……」
「ごめん」
土下座の恰好で頭を下げると、もう一度、
「ごめん」
と謝った。
ごめんって言われても……
「私は、賭けの対象で……その上……なの?」
胸の中にもやもやとしたものが広がる。
あの日、行成に全部持っていかれてしまった私の想い。
行成もそうだ。
なんて、思っていなかったけど、
もっと純粋な気持ちで私に近づいて来ていたんだって、勝手に思っていた。
だけど、違ったんだ……
「最低……」
ポツリ呟いた言葉に、行成が顔をあげた。
「違う」
「違うって、何が?」
「確かに最初は、菜穂を写真におさめる為に近付いた。
だけど、純粋におまえを写したかった。
あの日、海で見たお前を忘れられなかったから……だから、同じ大学にお前がいるってわかって、絶対にお前を写したいって思った」