彼の瞳に捕まりました!
「ずっと、気まぐれに遊ばれてるんだって思ってた。
だから、好きになったらだめだって、自分に言い聞かせてた」
「……」
「だけど、好きになってた。
初めて会ったあの日、行成に全部持っていかれたの。
だから……」
「だから?」
「私を満たして?
行成に持っていかれたもの全部を満たして?」
行成の首に腕を回し、そのまま唇を重ねた。
重ねるだけのキス。
何度目かのキスで行成はクスッと笑うと、
「へたくそ。
そんなんじゃ、欲情しねぇぞ」
身体に回された行成の腕に力がこもって、
重なるだけだったキスは、息が苦しいくらいのそれに変わった。
息継ぎの合間に囁く。
「好き」
の言葉。
その言葉に応えるように、行成のキスは激しさを増して行った。