彼の瞳に捕まりました!


「あ、あのさ……」

顔を胸に押しつけたままで、問いかける。
私の髪の毛を梳いていた彼は、その動きをやめることなく、

「ん?」

と、短い返事をくれた。

「もしかしてなんだけど……」

「うん」

「私が、強請ったの?」

「……さぁ?」

とぼけた返事に、身体がかぁっと燃えるように熱くなった。

私、私……

酔っぱらうと何しでかすんだ?

自分の事なのに、自分が一番よくわかってない。

だめじゃない?
大人として……

女として、終わってない?

あぁぁ、穴があったら埋まりたい。
埋まらせて……

「ごめんなさい・・・・・・」

その言葉に、行成の手が止まった。



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