彼の瞳に捕まりました!
「どこの写真かなぁ」
鼻歌混じりの村松に、苦笑しながら写真を取り出す。
「あれ?
珍しい、高瀬じゃない」
その言葉に写真を見つめると、
見慣れない髭面の行成が、困ったように笑っていた。
「髭生やしてんだね」
「あ、うん。
中東は髭を生やしたほうがいいみたいだよ」
行成の隣には、彼の肩に腕を回し豪快な笑顔を見せる大沢さん。
彼の顎にもしっかりと髭が生えていた。
「会えたんだ」
二人並んだ写真。
遠い異国の地で、きちんと会うことの出来た二人。
なんだか嬉しくって、安心できた。
「ねぇ麻生?」
久しぶりに見る行成から目を離す事が出来ずに、写真を見つめたまま返事をする。
そんな私に、村松はため息を付きながら言葉を続けた。