彼の瞳に捕まりました!
「ただいま、菜穂」
さっきまでの意地悪な瞳は影をひそめ、軟らかな眼差しを向ける。
「お帰りなさい」
「会いたかった」
言葉と共に唇が重なる。
「キスしたかった」
「私も」
腕を首に回して、唇を更に押し付ける。
少しだけ開いていた隙間に舌を差し込み、行成のそれにそっと重ねた。
唇が離れる度に漏れる甘い吐息に身体の奥の方がウズウズして落ち着かなくなった。
「寂しかった……」
「俺も」
「行成に触れたかった」
「菜穂を啼かせたかった」
「……最低」
「最高だろ」
「最悪」
「そんな俺に惚れたんだろ?」
「自信過剰」
「誉め言葉だな」
「大……」
「愛してる」
「え?」