彼の瞳に捕まりました!
「俺は、最低で最悪なんだろ?」
「は?」
「俺といて、これ以上の最低最悪はないと思わないか?」
「これ以上……?」
「そのあとは」
「あとは?」
「最高で最良になるんだよ」
最高で、最良……?
「俺は幸せになれる自信があるよ」
「……」
「菜穂。
お前限定だけど」
「?」
首を傾げ黙りこむ私。
そんな私のおでこをパチッと叩きながら、行成は大きく息を吐き出した。
「結婚してやる。
干物の菜穂ちゃん」
「…………」
「返事」
「してください。お願いします。
の、間違いでしょ」
「はぁ……相変わらず口は減らねぇな」
大きなため息と共に吐き出された言葉。行成は絡めた指をグッと引き寄せて、
「素直になれよ」
そう言った。