彼の瞳に捕まりました!
数分後、部屋に戻ってきた高瀬。
彼は並べられた料理をぱっと見ると、手にしていたカメラを構える。
「マサル、上からライトあてて」
と、部屋のすみで半ばいじけていたマサルくんに声をかけた。
「いやよ」
拗ねた返事をするマサルくんに高瀬は、盛大にため息をつくと、呆れた声をだした。
「早くしてくれよ」
「だってぇ」
「だってじゃねぇし
ほら、さっさとやれよ」
「もうっ、ユキナリ
本当、意地悪」
「はいはい。右からな」
マサルくんは高瀬の指示通りにライトを当てると、口を尖らせた。
そんなマサルくんに笑いながら、読者モデルの2人が高瀬の指示に従って、席につくと、料理を前に談笑し始めた。
和やかな雰囲気の中、実際に料理を食べる2人の表情はなんだか幸せそうで、見ていて嬉しくなる様に感じた。
そんな雰囲気で進む撮影。
用意された料理は次々とモデルさん達によってきれいになくなっていった。
ライトを持ちながら、その光景を見つめるマサルくんが心底羨ましそうに
「いいなぁ。食べたい」
と、呟き、
みんなの笑いを誘った。