彼の瞳に捕まりました!


撮影が終わって、モデルさん達に改めて食事の感想を聞いているときだった。

静かに扉が開き、
先ほど、私達を案内してくれた仲居さんが顔をのぞかせ、私の名を呼んだ。

「お待たせしました。社長の準備が整いましたのでご案内いたします」

「わかりました」

手帳と名刺入れを手に腰を上げる。
私に続くように、高瀬もカメラを肩にかけると立ちあがった。

「よろしくお願いします」

「お待ちの方々にお食事を隣の部屋にご用意させていただきました。
ごゆっくりおくつろぎください。
との事です」

その言葉に、奥でメイク道具を丁寧に片付けていたマサル君が黄色い声をあげた。
その様子に仲居さんはほほ笑むと、私と高瀬に軽く頭を下げ、

「お二人の分は、お話が終わってからご用意させていただきますね。
では、こちらになりますね」

と、入口の方へと向かって歩き出した。

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