彼の瞳に捕まりました!
対称的なそれらの写真。
その写真のどちらも、印象に残るもので、
テレビや雑誌で何度も目にした。
その写真を撮った、
『大沢憧』
彼と高瀬が知り合いだったとは―――
「学生の時、バイトしてた」
私の考えている事などお見通しと言わんばかりに高瀬は淡々と話しだした。
「え?」
「フォトコンに送った写真を偶然見た大沢さんにアシスタントをやらないか?って言われて、バイトをしてた」
その言葉に、
あの日の記憶が蘇る。
挑む様な視線を互いに交わしながら、あの狭いワンルームのアパートで、過ごした濃厚な時間。
あの日、
あの瞬間。
高瀬にだけは負けたくない。
そう思い。
けれど、
負けた。
そう感じた。
濃密で忘れられない、
そんな記憶を―――