彼の瞳に捕まりました!
何度目かのため息をついて、勢いよく立ち上った。
自動販売機にお金を入れると、適当にボタンを押した。
静かな空間に響く、飲み物が落ちる音。
やけに響くその音に、身体がびくりと震えた。
「はぁ……情けないなぁ」
独り言にしては大きな声で呟くと、飲み物を取り出した。
出てきたのは、苦手な炭酸飲料。
その缶を見て、またため息が出てきた。
手にした炭酸飲料としばし睨めっこをして、諦めた様にプルタブを引き上げた。
はぁと息を吐いてから、一口飲み込む
喉に当たる刺激に自然に眉間にシワが寄った。
「最低かも」
自然と零れた呟き。
そして、一筋の涙。
頑張らないといけない事はたくさんあるのに、このままじゃダメなのに……
泣いている暇なんてないのに。