彼の瞳に捕まりました!
片手には、さっき包んでもらっていた焼き鳥。
もう片方には私の荷物。
荷物を取られた私は、高瀬の背中を追いかけていた。
振り返る事なく高瀬は歩く。
まるで、あの日の様に――――
初めて高瀬と会話をし、初めて高瀬の家に行った。
あの日――――
「菜穂、明日は?」
振り向きながら高瀬が問うた。
「え?あ、明日……?」
「予定あんの?ないの?」
「な、なんで?」
「ないなら、このまま付き合えよ」
有無を言わせぬ口調に、思わず息を飲んだ。
「久しぶりに撮らせろよ」
最近見せる事のなかった魅惑的な笑みを浮かべる高瀬。
そんな彼に思わず頷いていた。