彼の瞳に捕まりました!
「ゆ、きっ…ふぁ、んあぁ」
自分の口から出てきた、甘い吐息に身体が固くなった。
そんな私に構う事なく、高瀬の舌は耳元から首筋に移る。
さっきまで、カメラを構えていた手は、私の洋服のボタンを簡単に外していき、少しずつあらわになる肌に、唇が押し当てられては、なんともいえない痛みが走った。
「あっ……やぁっ」
「イヤなんだ?」
クスクスと笑いながら、高瀬の唇が離れ、彼の熱が消える。
そして、ぎゅっと閉じていた瞼にざらりとした感触がして、思わず目を見開いた。
「考えろよ、自分で」
突き放すような冷たい声。今までの行為にほてった身体が一瞬にして冷えていく。
そんな風に感じた。
「高瀬……」
「自分で考えろよ。逃げてたって、答えなんて出やしねえよ」
吐き出すようにそれだけ言うと、高瀬はベッドから降り、私を見下ろした。
「今日はもう遅いから、泊まっていけば?」
冷たい声―――
感情のこもっていない瞳―――
「い、いい。大丈夫」
ブラウスのボタンを、震える指先でどうにかはめ直すと、ベッドから降りて高瀬の脇を通りすぎた。