彼の瞳に捕まりました!
「あの、編集長?」
「ん~?」
「何か気になる事でも?」
私の言葉に、彼女は煙をふうっと吐き出すと、タバコを灰皿に押し付けて、私を真っすぐに見つめ静かな声を出した。
「麻生って、今まで何人の男と付き合った?」
「はぁつ?」
「はあ?じゃなくて、何人?」
ピシャリと言い放つ編集長に反論できそうにないなと思い、曖昧に「3、4人ですかね」と返事をした。
「ふぅん」
「ふぅんって……編集長?」
「そんな目立つ顔の割には少ないなぁって……」
「…………」
「サトコちゃん」
「は?」
「数え切れませ~んって、ニコニコしながら言い切ったわよ」
「本当に?」
「……麻生、あんた本当にあの子に興味ないわね」
その言葉に、苦笑いを浮かべると、編集長はため息をついた。