彼の瞳に捕まりました!
先日送った記事になにかあったのかな?
そんな風に思いながら、メールを開いて、動けなくなった。
困った。
どうしよう。
どうすればいいの?
そんな言葉が次々に浮かび上がっては、ぐるぐると回る。
社長からのメールは……私を食事に誘う為に、いつなら都合がいいか、尋ねたメール。
「麻生ちゃ~ん」
鼻歌を歌いながら、マサル君が私の背後から覆い被さるように写真を覗きこんできた。
甘えっ子のマサル君のある種の癖で、いつもなら「重い~」って言って、背中をずらすのだけど、社長からのメールが表示されたままの今、そんな余裕がなくて、思わず
「やだっ!」
と、悲鳴混じりの声をあげてしまった。
その声に、しんと静まるスタジオ。
勢いよく離れたマサル君。
慌てて立ち上がると、何事かと私を見つめていた人達に頭を下げた。