彼の瞳に捕まりました!
高瀬の背中を見つめて、言葉が出ない。
携帯を握りしめている手が、奮える。
勝手に返事送るって、どういう事?
込み上げるイライラをぶつける場所もないもどかしさを、発散させるかのように長いため息をついた。
直後、再び奮え出した携帯に、思わず大きな声を出しそうになった。
ドキドキとうるさい心臓を、深呼吸しながらどうにか抑え、携帯を確認する。
そこにあったのは、浅川社長からのメール。
高瀬が送ったメールへの返事。
私への想いが伝わってくるようなメールだった。
今のメールは同僚が送りました。
なんて、絶対言える訳もない。
社長からのメールに、もう一度、了承の返事をして、さっきまで座っていたイスに腰掛けた。