彼の瞳に捕まりました!


少しずつ、自信がなくなっていくように私を見つめる。
そんな彼が、なぜだかすごく可笑しくなって、思わず吹き出してしまった。

「なんだよー違うのか?」

「違う、違うよ。美和ちゃんにちゃんと聞かなかったの?
菜穂って書いて、ナオって読むんだけど」

「ナホじゃなくて、ナオ?」

きょとんとした表情を見せる彼に、思わず笑い声をあげた。

「間違えちゃう人ね、いるんだよ。
だけど、自信満々で間違えたの、高瀬君が初めてかも」

「そんなに笑う事ないだろ、悪かったよ。ごめんって!
で、モデルやってくれる?」

「ごめん、ごめんね。
モデルって、なんで私なの?」

開いていた雑誌を閉じ、目の前の椅子に座った高瀬君を見る。
彼は、持ってきた鞄の中から1冊の雑誌を取り出すと、折り目の付けられたページを開いた。

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