彼の瞳に捕まりました!
よくわからない胃の痛みを抱え、高瀬に促されるまま、写真の確認作業を続けた。
さっきまでの呆れた表情は高瀬から見えなくて、少しだけホッとした。
「で、会うのかよ?」
「え?」
「しゃちょーさんと」
視線は写真に向けたまま、おちゃらけた口調で高瀬が問う。
「それ、高瀬が会うようにしちゃったじゃない」
ムッとして、刺のある口調で言い返す私に、高瀬はゆっくり顔を向かい合わせると、
「俺のせいかよ……嫌なら断れよ」
「なっ、何言ってんの?断れる訳ないじゃない。同僚が悪戯に返事送りました。なんて言えないでしょー」
「……まあ、それもそうだな」
「わかればよろしい」
「せいぜい楽しんでくれば」
いつもの意地悪な笑顔で高瀬は言うと、写真に視線を移した。
その何気ない態度に、再び胃がキリリと痛むのを感じて、ゆっくりとお腹をさすった。