彼の瞳に捕まりました!


時間が過ぎるのが確実に早くなってると思う。

幼い頃は、もっと時間が過ぎるのは遅かった様に感じていたんだけどなぁ。
って、思う事自体、歳とったって自分で認める事になるのか…。
そんな風に考える自分が情けなくって、ふるふると頭を振った。

「ここら辺のはずなんだけどなぁ」

キョロキョロと辺りを見回しながら呟く。
今日は浅川社長と食事をする約束の日。
午後から半休を取るはずだったのに、サトコちゃんの起こしたトラブル処理に手がかかり、結局時間ギリギリまで働く事になって……慌てて、約束の場所までやってきた。

前回とは違う、ビルが立ち並ぶ場所。
その1つのビルの中に入ってるお店が待ち合わせ場所。
もう一度メールを確認して、辺りを見回す。それらしいビルを発見して、足早に移動した。

エレベーターホールに貼ってある、お店の名前が書かれたプレートを確認し、やって来たエレベーターに乗り込んだ。

お店があるのは7階。
創作和風料理と日本酒が楽しめるお店。

日本酒……苦手なんだけどなぁ
なんて思いながら、お店の扉を開けた。


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