彼の瞳に捕まりました!


「フォトコンテスト?」

差し出されたページには、何かの広告なのか、
フォトコンテストと、大きく見出しがでていて、
その下に、応募期間などの募集要項が細かく記載されていた。

「高瀬君って、写真撮る人なの?」

私の問い掛けに、彼は少し身を乗り出すと、
小さな声を出して話しだした。

「俺、将来カメラマンを目指してるんだよね」

そんな彼につられる様に、ひそひそ声になった。

「へぇ、そうなんだ」

「だからさ、お願い」

両手を合わせ頭を下げる。

「え、だって……
なんで?なんで私?」

焦ってそう返事をする私に彼は、

「お前、目立つから」

と、悪びれる事なく言った。

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