ヴァンパイアヒューマン−桜−
盗賊の投げたナイフはメイドの背中に突き刺さった。
背中にナイフの刺さったメイドの傷口から血が吹き出し、メイドは意識を失くし地面に倒れた。
『あ…あ…』
幼いミーナは血まみれのメイドの光景を見て、言葉すら出なかった。
『あれれ、死んじゃったのか?』
盗賊の一人は血まみれのメイドに歩み寄り、メイドに刺さっているナイフを勢いよく抜いた。
そして、その刃先についている血を舌で舐めた。
あまりの光景を目にしたミーナは震えながら涙を零していた。
『さすがミーナ様だな。喚き声もあげないなんて立派だ』
盗賊の一人はそう言って、震えているミーナの頭を撫でた。