ヴァンパイアヒューマン−桜−


『どうする、バゼル?』


ミーナの頭を撫でている盗賊が、盗賊のリーダー的存在の男バゼルに尋ねた。


『ソイツをエサにグラバに俺達の言うことを聞かせるか…それとも奴隷として売り飛ばすか…』


バゼルが考え事をしていると、3人の盗賊とミーナの元にサラが駆け付けた。


サラは血まみれで倒れているメイドや泣いているミーナ、そしてナイフを握りしめる盗賊を見て状況を把握した。


『何だお前?』


ナイフを握りしめている盗賊がサラに歩み寄った。


『その子を放しなさい!!』


サラはミーナの頭を撫でていた盗賊に告げた。


『おい、おい。俺の質問は無視か?』


サラに歩み寄った盗賊はそう言って、サラの顔を覗き込んだ。




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