ヴァンパイアヒューマン−桜−


『人が来る…』


グラバドールの兵士たちの声に気付いたウィルは、倒れているサラをお姫様抱っこで抱き抱えた。


『サラ…』


ウィルは目を閉じているサラを見つめ、心配そうにサラを抱き抱えて姿を消した。


『ミ、ミーナ様!!』


倒れている幼いミーナを見つけたグラバドールの兵士たちは、慌ててミーナに駆け付けた。


『一体何があったんだ…』


血まみれで倒れているメイドや二人の盗賊を見た一人のグラバドールの兵士は、全く何があったのかわからず困惑した。


そして、サラに助けられた幼いミーナは兵士たちに守れながら無事にグラバドールへと送られた。


散って行く惨劇の桜が、ミーナのこの過去を包み隠したのだった。


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