ヴァンパイアヒューマン−桜−
『許してくれと言われてもな…雑用係りのくせにコイツは客のサイフを盗みやがったんだ。お陰でこっちは店の信用が下がったんだ、簡単には許せんよ』
バーの店主は怒り心頭していた。
『うん?あ、そのペンダント…高貴な物だな。じゃあ…アンタのその首から下げてるペンダント、それをくれたら許してやるよ』
バーの店主は、ミーナが首から下げているペンダントを見て言った。
『これですか?…わかりました』
ミーナは一瞬考え込んだが、ペンダントを首から外しバーの店主に手渡した。
『ま、待って下さいミーナ様。そのペンダントはグラバドールに代々伝わる家宝のペンダント。それをあげては…』
ラッセルは慌ててミーナを止めようとした。