ヴァンパイアヒューマン−桜−
『俺には家なんて…』
ジンタはそう言って、3人の前から走り去って行った。
『ジンタ…』
ミーナは走り去るジンタの背中を見つめて呟いた。
『おいっ!!お前ら』
そんな3人の背後から誰かが声をかけてきた。
3人は声のする背後を振り返った。
すると3人の視線の先には、腰に剣を携えた短髪の男が立っていた。
『見ない顔だなぁ』
短髪の男は3人の顔をジロジロ見つめた。
『あたし達、グラバドールから来ました』
ミーナは短髪の男に告げた。
『グラバドール?ああ、あの最近滅んだとか言う王国か…。で、お前らはその王国の亡霊か?』
短髪の男は素っ気ない態度で言った。