ヴァンパイアヒューマン−桜−


『何だと貴様!!』


ラッセルは声を荒げ、短髪の男の胸倉を掴んだ。


『何だやるのか?』


短髪の男は腰の剣に手をやった。


『王子様ぁ!!』


二人の兵士が街の入り口から、声をあげて短髪の男の元に走って寄って来た。


『リュート王子、捜しましたよ』


一人の兵士が息を切らしながら言った。


『王子!?コイツが?』


ラッセルは兵士の言葉に疑問を浮かべた。


『ん?何ですか、リュート王子。この小汚い輩は…』


一人の兵士が3人を見てバカにするかのように言った。


『小汚いだと…!!』


ラッセルは眉間にシワを寄せた。


『ああ、何かグラバドールの亡霊らしいよ。ハハハ』


短髪の男・リュートは嘲笑って言った。



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