ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ミーナ様、しかしコイツら…』


ラッセルは悔しそうに言った。


『暴力じゃ何も解決できないわ』


ミーナはラッセルの怒りを静めるように優しく言った。


『ミーナ様だぁ?』


ミーナの名前を聞いたリュートは、表情を変えミーナに歩み寄った。


そしてリュートはミーナの顔を食い入るようにじっと見つめた。


そんなミーナは戸惑いを浮かべた。


『アンタがミーナか…グラバドールの王女ミーナ…』


リュートはそう呟きながら、ミーナの顔をまじまじと見つめ続けた。


『よし、決めた。アンタ、俺の花嫁にしてやるよ』


リュートは突然そんな事を口走った。


そのリュートの突然の言葉に、周りにいた兵士やラッセル、ハートは驚いた。


< 131 / 574 >

この作品をシェア

pagetop