ヴァンパイアヒューマン−桜−


ミーナは窓際に歩み寄った。


『このロープを伝って下の階のバルコニーに降りて、うまく逃げて下さい』


ナズナは窓から下を覗きながら、ミーナに説明した。


『えっ!?でも、あたしが逃げたらナズナさんが…』


ミーナはそんなナズナに対して少し戸惑いの表情を見せた。


『私の事は大丈夫です。ミーナ様はお逃げ下さい。地下の部屋にミーナ様のお仲間の二人も閉じ込められています、助けてあげて下さい』


ナズナはそう言って、ミーナの手を握り無事を祈るかのように告げた。


『あ、ありがとうナズナさん。ナズナさんがこの城にいてくれて良かったわ、本当にありがとう』


ミーナはそう言って、スルスルとロープ伝って下の階へと降りた。



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