ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ミ、ミーナちゃんに…ミーナちゃんに気安く触るな!!』


ジンタは足を引きずりながら、必死にミーナを連れていこうとする兵士にしがみついた。


『放せ、このガキ!!』


兵士はジンタを蹴り飛ばした。


『いやだ!!絶対放さない!!死んでも放さない!!ミーナちゃんは俺が守るんだ!!』


ジンタは兵士にしがみついたまま叫んだ。


『ガキは引っ込んでろよ!!』


他の兵士たちがしがみつくジンタを殴ったり、蹴ったりし、ボコボコにした。


『…ジ…ン…』


ミーナは自分を必死に助けようとして兵士たちにボコボコにされているジンタを見て、出ない声で叫び涙を零し、痙攣している体で精一杯自分を掴んでいる兵士の手を振り払おうともがいた。





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