ヴァンパイアヒューマン−桜−


『あれれ、リュート様。このガキついに動かなくなりましたよ』


ジンタをボコボコにしていた兵士が、リュートに報告した。


『ほお〜、なかなかしぶといガキだったな』


リュートは笑いながら感心した。


地面にへばり付き、ズタボロになって動かなくなったジンタを見たミーナは、涙を零しながら出ない声で空に向かって叫んだ。


その時、夜空に出ていた月がミーナを照らしミーナの心臓を高鳴らせた。


するとミーナの体を黒いオーラが包み込み、ユラユラと黒い湯気のようなものが出始めた。


『な、なんだ!?なんだこの黒い湯気みたいなのは…』


ミーナを掴んでいた兵士が、ミーナの異変に気付いた。



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