ヴァンパイアヒューマン−桜−
『あたしだってウィルが好きだよ!!だけど…このままヴァンパイアであるあたしと一緒にいれば、きっとウィルにまで危険が及ぶから…だから…』
サラは言葉を詰まらせ、顔をうつむけた。
『そんなの構わないよ!!サラと一緒にいれるなら…俺は…。サラと一緒ならどんな危険な事だって乗り越えられるし、俺がサラを絶対に守る!!』
ウィルは、サラを抱きしめる自分の拳をギユッと握った。
『ありがとうウィル…。でもね、でもその言葉が今のあたしの心にはすごく痛いの…』
サラの目からは涙が零れ落ちた。
『サラ…』
サラの涙を見たウィルは心が苦しかった。
『ねぇ、ウィル…ウィルはヒューマンと結婚して幸せになるのが1番良いんだよ。それが1番…』
サラはそう言いながらも、悔しそうにウィルの服をグシャっと掴んで握りしめていた。