ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ヴァンパイアが怖いか?』
バダックは二人に尋ねた。
『う、うん…。あの時のミーナ様は…とてつもなく悍ましくて…背筋が凍りそうなくらい怖かった…』
ハートは本音を呟いた。
『そうか…』
バダックはそれだけ呟き、二人の前から立ち去って行った。
太陽が沈み、月が顔を覗かせる頃…空から一筋の光が小屋のそばの湖を照らした。
小屋のベッドで眠るハートは、ふと窓の外が明るい事に気付いた。
ハートはラッセルを起こし、二人で湖の方へと恐る恐る足を運んだ。
『こ、これは…』
ハートは不思議な光景に言葉を失くした。