ヴァンパイアヒューマン−桜−
サラは出血多量で意識を失いかけていたミーナに、自らの血を分け与えたのだった。
そう…自らの血…
ヴァンパイアの呪われた青い血を…ミーナに分け与えたのだった。
ヴァンパイアの呪わし血を分け与えられたミーナは、驚異の回復力をみせ、そして今にいたった。
あの日以来、ミーナの体の中を流れる血はヒューマンの赤とヴァンパイアの青。
その二つを合わせもつ紫の血が流れていたのだった。
しかし、その事を知っている者は誰一人としていなかった。
今日という日が来るまでは…。
そして、その呪わし血がミーナを運命へと誘う。
『おはようパパ!!』
ミーナは王座に座るグラバに挨拶をした。
『おお、ミーナおはよう。ミーナ、パン屋に行って今日のパーティーで使うパンを買って来るんだ』
グラバはミーナに笑顔で告げた。