ヴァンパイアヒューマン−桜−


『おい、何だアイツらは!!』


この状況を見ていたラッセルが声を荒げた。


『盗賊みたいね…』


ハートは冷静に答えた。


『ミーナ様、私の後ろに隠れて下さい』


ナイフで斬られ、血が垂れ流れている左腕を右手で抑えながら、ダイヤは小さな幼い少女ミーナを背後にかくまった。


『ミーナ様だぁ?』


盗賊の一人が、ダイヤの後ろに隠れているミーナに目をやった。


幼いミーナは震えながらダイヤの服をぎゅっと握りしめていた。


『まさか、グラバ王最愛の娘ミーナ様とこんな所で出会えるなんて…俺たちはツイてるなぁ』


盗賊の一人は不敵な笑みを浮かべながら言った。




< 215 / 574 >

この作品をシェア

pagetop