ヴァンパイアヒューマン−桜−
『おい、何だアイツらは!!』
この状況を見ていたラッセルが声を荒げた。
『盗賊みたいね…』
ハートは冷静に答えた。
『ミーナ様、私の後ろに隠れて下さい』
ナイフで斬られ、血が垂れ流れている左腕を右手で抑えながら、ダイヤは小さな幼い少女ミーナを背後にかくまった。
『ミーナ様だぁ?』
盗賊の一人が、ダイヤの後ろに隠れているミーナに目をやった。
幼いミーナは震えながらダイヤの服をぎゅっと握りしめていた。
『まさか、グラバ王最愛の娘ミーナ様とこんな所で出会えるなんて…俺たちはツイてるなぁ』
盗賊の一人は不敵な笑みを浮かべながら言った。