ヴァンパイアヒューマン−桜−
『あれれ、死んじゃったのか?』
盗賊の一人は血まみれのダイヤに歩み寄り、ダイヤに刺さっているナイフを勢いよく抜いた。
そして、その刃先についている血を舌で舐めた。
あまりの光景を目にしたミーナは震えながら涙を零していた。
『こ、このやろー!!』
頭に来たラッセルはこんぼうを手に握りしめ、ナイフを握る盗賊にかかって行った。
ラッセルはこんぼうを振りかぶり、力いっぱいナイフを持つ盗賊の頭に向けて振り下ろした。
しかし、ラッセルのこんぼうはナイフを持つ盗賊の体をスルリとすり抜けてしまった。
『あ、あれ!?』
ラッセルはキョトンとした。