ヴァンパイアヒューマン−桜−


『無駄よ。今あたし達は過去の世界にいるのよ。周りのみんなにあたしたちの事が見えないように、触れることさえもできないわ』


リリアはすり抜けた理由を説明した。


『く、くそー!!』


ラッセルは悔しがった。


『さすがミーナ様だな。喚き声もあげないなんて立派だな』


盗賊の一人はそう言って、震えているミーナの頭を撫でた。


『どうする、バゼル?』


ミーナの頭を撫でている盗賊が、盗賊のリーダー的存在の男バゼルに尋ねた。


『ソイツをエサにグラバに俺達の言うことを聞かせるか…それとも奴隷として売り飛ばすか…』


バゼルが考え事をしていると、3人の盗賊とミーナの元にサラが駆け付けた。




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