ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ウィル…でも…でも…アイツら…』
サラの目からは涙が零れた。
涙が零れているサラをウィルはそっと抱きしめた。
『アイツらが許せないのはわかる…でも…でもサラまでアイツらと同じになってしまうだろ…』
ウィルは優しくサラに告げた。
『ウィル…』
サラの目から零れた大粒の涙が、ウィルの胸を濡らした。
すると僅かだが、斬られて倒れている幼いミーナの指がピクッと動いた。
『ミーナ様?』
ハートはミーナの指が動いた事に気付いた。
『ミーナ様、ミーナ様!!』
ハートは触れられないその手でミーナの体を揺すった。