ヴァンパイアヒューマン−桜−


『えっ?』


サラのそんな不可思議な行動を見たラッセルは驚いた。


『あたしの…ヴァンパイアの血は驚異の回復力を誇る。だから、この子にあたしの、ヴァンパイアの血を輸血すれば…輸血すればこの子はまだ助かる』


サラは目を閉じ、自らのヴァンパイアの血を自分の傷口から幼いミーナの傷口へと流し、輸血に集中した。


すると、みるみるうちに幼いミーナの傷口は塞がって行った。


『こ、これは…』


ケガが治って行くミーナの姿にハートは言葉を失くした。


『はぁ…はぁ…これでもう…大丈夫ね…』


そう言って、サラは笑みを零しながら貧血で倒れた。


『サ、サラ!!』


ウィルは倒れたサラに駆け寄った。



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