ヴァンパイアヒューマン−桜−
そんなラッセルとハートの姿を少し隙間の開いたドアの外からバダックは見ていた。
『過去に戻って本来のヴァンパイアの姿を見て、ヴァンパイアに対する見方が変わったおかげで…もう彼女のことを怖いなんて思わないだろう、あの二人も。きっと』
バダックはそう独り言を呟きながら、静かにドアを閉めた。
そしてバダックは外に出て、湖の辺へとやってきた。
バダックはスッと天高く顔をあげた。
『リリア…ありがとう』
バダックは優しい笑顔でそっと告げた。