ヴァンパイアヒューマン−桜−
★傷だらけのトライバスタン★
月が沈み夜が明けると、朝日が天高く昇った。
『本当にお世話になりました』
ミーナはバダックに頭を深々と下げた。
『イヤ、良いんだ。気をつけてな』
バダックはそう言って4人を笑顔で見送った。
4人は迷う事なく森をすんなりと抜けた。
『さて…どこに行こうか?』
ラッセルは3人に尋ねた。
『ガルディニアの方向は…当分は避けた方が良さそうよね?』
ハートは考え込みながら言った。
『じゃあ…トライバスタンの方向しかないわね』
ミーナがそう言うと、ジンタの表情が一瞬曇った。
『トライバスタン…』
ジンタは静かに呟いた。