ヴァンパイアヒューマン−桜−
『おい、ジンタはトライバスタンに行ったことあるのかよ?』
ラッセルはジンタの言葉に反応し尋ねた。
『別に…』
ジンタは素っ気なくそう告げ、ひとりさっさと歩いた。
『別に…って、何だよアイツ。変なヤツ』
ラッセルは少し呆れた。
そして4人は歩き続け、ようやく国境となる橋・霞ヶ橋(カスミガバシ)へとたどり着いた。
そして夕日が河に反射し、煌めきが橋を包み込んでいた。
『ここが国境の霞ヶ橋か…』
ラッセルは橋の上で立ち止まり、煌めく河を見下ろした。
『この橋を渡ればトライバスタンね』
ミーナも河を見つめた。