ヴァンパイアヒューマン−桜−


ミーナは何を思ったのか、2人の傍を離れ、ヒナタ村の端の端の寂れた場所へと足を運んだ。


そこには欠けた石で作られた一つのお墓がぽつりとあった。


そして、そのお墓の前には寂しそうな小さな背中を震わしているジンタがいた。


『ジンタ…』


ミーナは寂しそうに背中を震わすジンタを見つめた。


『ジンタ』


ミーナはそんなジンタに声をかけた。


ジンタはドキッとして、右腕で急いで目から零れている涙を拭い去った。


『泣いてるのジンタ?』


ミーナは後ろ姿から察して尋ねた。


『泣いてないやい!!泣いてなんか…』


ジンタは振り返らずに強く叫んだ。



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