ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ううっ…』
ジンタは大粒の涙を流して泣いた。
ミーナは涙を流すそんなジンタを優しく抱きしめた。
『まだまだジンタは子供なんだから、我慢なんてしないで。泣きたい時はそうやって泣かなきゃ』
ミーナは微笑みながら告げた。
『子供じゃ…子供じゃないやい…』
ジンタは泣きながら軽く笑みを零した。
その頃ラッセルとハートは二人で、どうやってトライバスタンを救うかの手立てを考えていた。
『なかなか良い手立てが浮かばないな…』
何も浮かばないラッセルはそう言って天をあおいだ。
『相手は世界一の一大勢力を持つ盗賊集団だからね…』
ハートも息詰まっていた。